申述書の記入ポイントと理由の選び方を押さえよう
相続放棄の申述書は、家庭裁判所が放棄の可否を判断する重要な資料です。誤記や空欄のまま提出すると、照会や差し戻しの原因になるため、実際の手続きの流れに沿って丁寧に記入しましょう。まず「申述人」欄には現住所・氏名・生年月日・連絡先を正確に記載し、押印は案内に従います。次に「被相続人」欄では本籍・最後の住所・死亡日が戸籍と一致していることが重要です。放棄理由は借金が明らかな場合には「債務超過のため」を、他に該当事情があれば「相続財産が不明または不足」の趣旨で補足しましょう。相続財産の概略欄には、把握している範囲で資産と負債を区分し、負債(カードローンや消費者金融、住宅ローンなど)は債権者名と概算額を明記します。相続放棄では「借金だけ放棄」はできないため、一切の相続を承継しない意思が明確になるように記載しましょう。最後に返送先住所や日中の連絡先も忘れず記入し、郵送提出であれば不備防止のためコピー保管を徹底してください。
重要ポイント
- 債務超過が明らかな場合はその旨を簡潔に特定
- 資産・負債を区分して概略を記入
- 戸籍の記載情報と完全一致を意識
相続財産の概略欄に借金内訳を記載する具体例
相続財産の概略は、正確さよりも根拠に基づく具体性が求められます。負債は「どこからいくら」を記載すると裁判所の理解が早く、相続放棄において重要な判断材料となります。記載は分かる範囲で構いませんが、通帳や取引明細、督促状などの金額や日付を基準にしましょう。資産が不明でも、負債が資産を上回る債務超過の見込みを簡潔に書くことで、放棄理由と整合します。下記は実務で使われる表現例です。
| 区分
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項目例
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記載例(分かる範囲で可)
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| 資産
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預貯金
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普通預金 残高約30万円(3月末時点)
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| 資産
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不動産
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なし(固定資産税の課税通知なしを確認)
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| 負債
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カードローン
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カードローン 残高約180万円(督促状4月)
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| 負債
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消費者金融
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貸金業者 残高約90万円(最終請求書3月)
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| 負債
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住宅ローン
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金融機関 住宅ローン 残高不詳(返済遅延通知あり)
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負債額が概算でも「出典(請求書・通帳記載など)」を明記すると信頼性が高まります。保証人情報がわかる場合には保証契約の有無も補足しましょう。
添付書類&提出方法のチェックリスト
相続放棄の重要ポイントは期限内提出です。家庭裁判所へは被相続人の最後の住所地が管轄となるため、提出先を事前に確認しましょう。必要書類が不足しているとやり直しとなり、相続放棄の手続きが遅れる原因になります。以下の手順とチェックポイントを参考にしてください。
- 被相続人の戸籍一式(出生から死亡まで)を取得する
- 申述人の戸籍謄本・住民票(住民票除票が必要な場合あり)を用意する
- 申述書を記入し、収入印紙と郵券を準備する
- 管轄家庭裁判所へ持参または郵送で提出する
- 照会書が届いたら期限内に必ず回答する
チェックポイント
- 収入印紙額・郵券の内訳が裁判所の案内通りか確認
- 管轄の確認と差出方法の記録(追跡可能な方法等)を保管
- 原本還付が必要な書類は写しを同封し依頼文を添付
郵送提出の場合は配達記録を残し、同封物の控え一式をファイリングしておくと安心です。